新型コロナウイルスをはじめ、世の中にはさまざまな感染症が存在します。看護師は患者と接する仕事ですので、そうした感染症に罹るリスクが常にあり、それを理解したうえで患者のケアをしていかなければなりません。そして、同時に、感染症の拡大を防ぐ努力も求められます。

感染症を予防する方法としては、まず感染源を断つことが必須です。その例として、スタンダードプリコーションがあります。これは、すべての患者に対して取る標準的な予防方法のことをいいます。患者のケアをするときには、血液や体液、排せつ物など、感染リスクが必ず伴います。そのため、ゴーグルや手袋といった防護具などを使用したり、洗浄や消毒、手指衛生などを心がけなければなりませんが、これがスタンダードプリコーションに該当します。

また、接触予防策や飛沫予防策、空気予防策なども重要です。接触による感染症の場合は、患者と直接的・間接的に触れることで、病気が発症してしまうので、そのような病気の患者と接するときには、エプロンやガウンを着用したり、血圧計などを測るときには、使用の前後に消毒を行うことが欠かせません。それから、飛沫による感染症の場合は、くしゃみや咳で出るしぶきの中に感染源があるので、マスクやゴーグルを着用したり、患者を処置したときには、手指の消毒などを徹底する必要があります。それから、空気による感染症に対策を講じる場合は、可能な限り部屋の換気をよくするようにしましょう。このように、ケースに応じた感染症予防を行うことで、院内感染の発生はかなりの確率で防止できます。