感染症に関する看護師の資格として、感染予防の知識や感染者に対する適切な看護スキルを備えたことを証明できる「感染症看護専門看護師」が挙げられます。この資格を有する看護師は、感染症に罹患した患者や家族に高水準の看護ケアを実践したり、現場から寄せられる感染症に関する相談に乗ったり、後輩看護師に適切な感染症予防の指導を行ったりすることができます。また、感染症治療に関わる多様な医療従事者間のコミュニケーションが円滑に図られるように、連絡調整を担うこともありますし、患者や家族のプライバシーをはじめとした、倫理に関わる問題解決に携わることもあります。そのため、感染症看護専門看護師になったら、常に最新の医療について研究する必要があります。

そんな感染症看護専門看護師になるためには、看護系の大学院で卒業単位を修得し、感染症看護分野で一定期間の実務経験を重ね、研修を受講したうえで、認定審査に合格しなければなりません。感染症看護専門看護師は、大学院卒業単位の修得が必要なため、かなり敷居が高い資格といえるでしょう。

一方、もう一つの資格である「感染管理認定看護師」は、看護師の資格と実務経験があれば、誰でも研修を経て認定審査を受験できます。具体的には、5年以上の看護経験のうち、感染症分野で3年以上の実務経験があれば、感染症認定看護師の研修を受講することが可能で、認定審査に合格すると資格を取得できます。感染管理認定看護師も、感染症対策指導や感染症予防対策を講じるなど、現場のリーダーとして活躍することができます。ただし、感染管理認定看護師の資格は、5年に一度更新する必要があり、その都度研修を受けなければなりません。>>>参照:感染症と戦う看護師